取引所間でビットコインの価格差が生まれなくなった
ひとことで言うと、「価格差が発生する頻度が激減した」からだと思います。
2018 年当時にビットコインのアービトラージが盛んだった (プログラムで取引を自動実行するのではなく、売買を手作業でやってた人もいたと聞いています) ようなので、当時とは比べ物にならないくらい減ったのではないかと想像します。
たとえば今日 = 2020 年 4 月 10 日に限った話になりますが、僕が確認した限りでアービトラージをやる価値があるほどの価格差が発生したタイミングが 3 回あります。
1 日でたったの 3 回です。
- 12:00 〜 12:05 の間
- 14:01 〜 14:03 の間
- 22:39
です。
どういうタイミングだったかというと、以下の画像を見てください。ビットコインの価格の折れ線グラフです。

↑ 12:00 〜 12:05 付近、もしくはその真っ只中で大きな値動きが確認できます。

↑ 14:01 〜 14:03 頃です。こちらも大きく価格が動いているタイミングです。

↑ 22:39 に確認された値動き。ちょうど下がりきったところくらいが 22:39 でした。
取引所間でビットコインの価格に大きな差が生まれるのは、このようにマーケットが大きく動くタイミングです。
これ以外のタイミングで大きな価格差が現れることはまずありません。と言い切って良いくらいに今のマーケットは機能しています。この点が 2018 年と大きく違うところじゃないかと思っています。
逆に言えば、こういう値動きがない時は大きな価格差が生まれないので、アービトラージで利益を得ることは難しくなっています。
だから、ビットコインのアービトラージは下火になっていったと考えるのが妥当と僕は思っています。
アービトラージするなら 1 btc で 5000 円の価格差は欲しい
アービトラージをやる価値があるほどの価格差とは、1 btc を売買して 5000 円以上の価格差です。
ここのところ日本の仮想通貨取引所 4 つのビットコイン価格差をウオッチしていますが、5000 円の価格差が全く出ない日もあります。それが 2 〜 3 日続く日もあります。
これではアービトラージ儲からないと判断されても仕方がないでしょう。特に、手作業でビットコインの売り買いをしていた人にとっては続けられるわけがありません。24 時間寝ないでマーケットをウォッチし続けたとしても一回も売買チャンスがない日があるわけですから。
もちろん価格差 5000 円というのは僕が言っているだけで、これよりも小さな価格差でアービトラージに取り組むこともできます。しかし僕の中では 1 btc で 5000 円以上の価格差がないならアービトラージやらない。それくらいがちょうど良いのではないかと今の時点では考えています。
どれくらいの価格差が生まれているのか?
頻度は減ったとは言え、十分な価格差が生まれることも確認できています。先程、今日は 3 回 5000 円を越える価格差 (2 つの取引所で 1 btc を売買したときの価格差) が確認されたと書きました。
ではこの時、
- 価格差がどれくらいあったのか?
- どことどこの取引所間で価格差が出たのか?
が気になるところではないでしょうか。それを紹介しておきます。
12:00 〜 12:05 の約 5 分間に確認できた価格差
この 5 分間は、細かく言うと、12:00:50 〜 12:05:02 の間で実質的には 4 分ちょっとの間になります。この間、以下の取引所間で 5000 円以上の価格差が確認できました。
- bitbank 売り + bitFlyer 買い
- bitFlyer 売り + bitbank 買い
- bitFlyer 売り + GMO コイン 買い
- bitFlyer 売り + Liquid 買い
上記 4 パターンです。
この約 4 分の間に、確認できた価格差のトップ 3 は、
- 30,606 円
- 30,149 円
- 29,291 円
でした。
14:01 〜 14:03 の約 3 分間に確認できた価格差
以下の取引所間で 5000 円以上の価格差が確認できました。
- bitbank 売り + Liquid 買い
- GMO コイン 売り + Liquid 買い
- bitFlyer 売り + Liquid 買い
上記 3 パターンです。
この間に確認できた価格差のトップ 3 は、
- 8,774 円
- 6,834 円
- 6,764 円
でした。
22:39 に確認できた価格差
- bitbank 売り + Liquid 買い
だけでした。
このときに確認できた価格差は
- 5,378 円
でした。
次に書く記事について
アービトラージについて色々ネット検索して調べていると、「価格差があれば儲かる」的に、かなり単純に考えている人が多い印象を受けます。
これは間違っています。価格差がないと儲からないのはそうなんですが、考える必要のあることはそれだけではありません。また価格差のことしか考えていない場合、価格差があっても儲からないことが普通に起こりえます。
このあたりについて、次の記事で書いてみようと思います。